冬は最も火災が多い季節です。
そのためにこの時期に最も大切なことの一つが「火災の予防」です。
集合住宅では、一室での火災が隣室や上下階へと瞬く間に広がり、多くの方の生命や財産を脅かす危険性があります。
また、火災によって建物全体が使用できなくなり、多くのご入居者様が住まいを失うという事態も起こり得ます。
実際に、管理物件での火災は、当社にとっても入居者様にとっても、最も避けたい事態の一つです。
しかし、日常のちょっとした注意で、火災の多くは防ぐことができます。
今回は、冬季に特に注意していただきたい火災予防のポイントをまとめました。
ご自身とご家族、そして同じ建物にお住まいの皆様の安全のため、ぜひご一読いただき、日々の生活に取り入れていただければ幸いです。
火災の主な原因と対策

電気ストーブ
よくある原因
布団やカーテン、洗濯物などが接触して発火するケースが多く見られます。
また、電源の消し忘れも危険です。
対策
就寝時や外出時は必ず電源をオフにし、周囲に燃えやすいものを置かないよう心がけましょう。
コンロ
よくある原因
火の消し忘れや、天ぷら油などの加熱中の油への引火が主な原因です。
対策
短時間の離席でも必ず火を消す習慣をつけ、コンロの近くに燃えやすいものを置かないようにしましょう。
たばこ
よくある原因
寝たばこによる火災や、吸い殻の不始末が原因となります。
無煙燃焼するため、気づきにくいという特徴があります。
対策
決まった場所で喫煙し、就寝前には必ず確認を。
寝たばこは絶対にやめましょう。
電気機器・配線
よくある原因
コンセントとプラグの間に溜まった埃が湿気を帯びて発火する「トラッキング現象」や、タコ足配線による過熱が原因となります。
対策
コンセント周りはこまめに清掃し、プラグはしっかりと差し込みましょう。
タコ足配線は避けることが重要です。
日頃から備えておきたい防火対策

- 住宅用火災報知器:設置と定期的な点検・交換を行いましょう
- 消火器:初期消火のために準備し、使い方を確認しておきましょう
- 防炎品:カーテンや寝具には防炎加工されたものを使用しましょう
物が多い住環境は火災リスクを高めます
部屋に物が散乱している状態は、火災発生時のリスクを著しく高めます。
可燃物が多いほど火の回りが早く、避難経路が塞がれる危険性もあります。
実際に、物が積み重なった住宅での火災では、以下のような深刻な被害が報告されています。
実際の火災事例
愛知県T市(2015年)
物が散乱した住宅から出火し、建物が全焼。西隣の家も全焼、東隣の家も半焼する大規模火災となりました。
過去に5回ほどボヤ騒ぎを起こしていた経緯もあったとのことです。
福島県Ⅰ市(2017年)
出火原因は不明ですが、物が国道にまで溢れていた住宅が全焼。
近隣住民は長年、火災の不安を抱えていたといいます。
神奈川県H市(2020年)
ライターでコンロに火をつけようとしたところ、周囲の物に引火。
6棟が全半焼し、消火に11時間以上を要しました。
放火のリスクにも要注意

管理されていない建物や敷地は、放火の標的になりやすい傾向があります。
放火が起きやすい条件
- 人の目が届かない
- 枯れ葉やゴミ、紙類などの可燃物が散乱している
- 深夜から未明の人目につかない時間帯
放火を防ぐ4つのポイント
- 家の周りを整理整頓し、新聞紙やゴミなど燃えやすいものを置かない
- 倉庫や物置には必ず施錠する
- ゴミは収集日の朝に出す
- 家の周りや駐車場は街灯などで明るくする
放火は犯罪行為であり、刑法で重い刑罰が定められています。
しかし、「放火されない環境づくり」を心がけることで、未然に防ぐことは可能です。
地域全体で「自分たちの街は自分たちで守る」という意識を持つことが大切です。
火災がもたらす深刻な被害

火災は、住まいを失うだけでは済みません。
命の危険
火災による死者は、令和元年だけで1,486人にのぼります。
「消防隊がすぐに来てくれる」と考えるのは危険です。
特に避難経路が物で塞がれている場合、逃げ遅れて命を落とす可能性が高まります。
周辺への延焼
火災は隣家へと燃え広がる可能性があります。
実際に複数の事例で、周辺の住宅が全焼・半焼する被害が出ています。
ご自身だけでなく、近隣の方々の命や財産を守るためにも、火災予防は重要です。
大切なものを失う
思い出のアルバムや家財道具など、一度失われたものは二度と取り戻せません。
住む場所を失い、生活基盤が崩れてしまうことも現実に起こり得ます。
整理整頓が最も有効な予防策
燃焼には「酸素」「着火源」「可燃物」の3つの要素が必要です。
周囲に可燃物がなければ、火災が発生しても燃え広がらずに自然鎮火するケースもあります。
つまり、部屋を清潔に保ち、物を減らすことは、火災予防の観点から非常に有効な対策なのです。
まとめ
火災のニュースは頻繁に目にしますが、「まさか自分が」と思っている間に、事故は起こります。
「つい」「うっかり」では済まされない事態を防ぐために、今一度、身の回りの環境を見直してみませんか。
日々の小さな心がけが、あなたとご家族、そして地域の安全を守ります。